DevLOVEでHELP ME!をやってみて、うまくいくのはなぜなのか考えてみた。

DevLOVEでHELP ME!をやってきました。前もって何回か素振りをしてきましたが、今回はテーブルについているメンバーがヘルプミー未経験者のみでした。もしかしたらうまく行かなかったテーブルもあったんじゃないかな、とドキドキしております。プレゼンのテンプレート資料を作ってくださった、id:torazukaさん、本当にありがとうございました。当日はLTタイマーを同時使用という無茶をさせたため、ぼくのubuntuさんは完全に沈黙しておりましたが、セッション自体はなんとか回すことができました。

さて、いつも参加者が伸び悩むのは、悩みや問題というセンシティブな話題を扱うためでしょうか。だとすれば、これは本当にもったいないことなんじゃないかと思います。実際どれだけの人が、自分が問題と思っている事に対し、周りに対してアプローチできてるんでしょうか?たぶんそれほど多くないと思います。で、もしかすると文句ばかり言っていたり。なんだかそういうのはかっこ悪い気がするんです。

この辺にばーっと書き出した結果を撮った画像をあげてみました。
http://twitpic.com/thqqd

HELP ME!のルールは単純です。3人で一つのテーブルを囲み、制限時間の限り、付箋に書き出し、話し合うと言う。でもそのルールの中にはうまく回る理由があるのです。

まず、「付箋に書き出すこと」

書き出すことで自分自身の悩みや課題、問題を認識します。最初はいつも考えている悩みだったりするものですが、書き出しつづけていくと、だんだん深層意識に意識が到達していきます。事実を書き出すことで認識し、A3のブックに事実が埋まっていくにつれ、だんだん自分自身が所有する課題ではなくなっていきます。周りの人から棚橋さんの本に「脳を外に出せ」という帯がありましたが、ほんとそんな感じ。事象が自分からはなれていくと、問題vs自分の構図を生み出していくんです。

書かれた付箋への「フィードバック」

続いてこういった場で悩みを話すと、当然コンテキスト(状況)が共有されていませんので、できるだけコンテキストを共有するように話すわけです。いろんな情報が漏れているように見えて、実は自分が話したい事が中心になって話すことになるでしょう。なぜならそれは既に「書かれている」ことですから。すると、他の二人から、アイディアや、質問という「フィードバック」を得ることができるのです。フィードバックが多ければ、多くのアイディアを得る事ができるのですが、下手な説明では説明に対する「質問」ばかりすることになります。実は往々にして「質問」ばかりになっているときは、実際に仕事の場でもうまく伝えられていない事が多いのです。問題が解決できない一番のボトルネックとなっているのは、「自分の説明」。僕も常に苦しんでいたので、よくわかります。そういう場合、僕の場合足らなかったのは「準備」の場合が多かったのです。だからあらかじめ付箋に問題を書き出す時間をとっているのですが、課題は人それぞれだとしても、普段話さない話題について話しているので、何らかのフィードバックを感じるはずです。それがあなたの課題です。実はあなた自身の課題を認識するために「話す」時間が取られています。

限られた時間「タイムボックス」によるくりかえし「イテレーション

1人あたり5分なのは、LTのイメージです。一言一言選ばないと伝わらない。そして何で2回やるのか。今回入れられなかったですが、本当は間に「整理する」という個別の「ふりかえりの時間」を取るつもりでした。ふりかえりの時間は、1回目に得られたアイディアを整理するための時間です。でも、1回目のフィードバックを元に、2回目のタイムボックスを有意義に進めるための作戦をねるための時間でもあるんです。もちろん時間の制限がなければうまく伝えられるもんですけど、実際に周りと一緒に問題に向かい合おう、と言うときに、短い時間で状況を共有出きることは武器になります。そのための作戦会議の時間にもできないもんかな、と何回かやってやり慣れてきた自分は思います:-)今回初めてHELP ME!をやった方はそこまでたどり着かないと思います。人それぞれ感じる事は違っていいのです。時間の使い方だけ意識してください。

また、2回以上、くりかえして別の人と話すことは、別の視点からのフィードバックを得るためのイテレーションです。たくさんのフィードバックが得られれば、それだけ気づく機会が増えるでしょう。

3人という「数」

僕は話に割り込むのが大の苦手です。で、二人で話すのも苦手。向かい合ってしゃべるのって、話題が続かなくなると空気が重たい感じがして、苦手なんです。3人という数は、話が続くし、適度に割り込めるし、ちょうどいい数だと思っています。3人よれば文殊の知恵とはよく言ったもんだなぁ、と思います。オブラブ夏イベント2009の時はスタッフがファシリテーターを努めていましたので4人で1テーブルでした。でも基本は3人なのです。3人でもうまく会話を回しきれるのであれば、それで十分なのです。

付箋による「会話の割り込み」

ワールドカフェやダイアログでよくやりがちなのが、**話が終わるのを待っていたら何を話したかったのか、忘れてしまう**というもの。付箋に書いておけばそれを防げるとともに、自分は話したいことがあるんだよ、という意思表示をすることができます。

「ブック」の意味

ブックの意味は

  • アイディアを持ち帰れること
  • 見せたい人だけに見せられること
  • まとめた状態を保持できること
    • マントラ状に付箋をはっておくこともできます
  • GTDのようにいつも課題の棚卸ができること

などなどあるんです。

結局答えを実行するのは自分

問題をなくすには実は2つ方法があります。問題を「解決」すること、もう一つは問題を「解消」すること。時に人は話をするとすっきりして、問題を問題と認識しなくなることもできるのです。

などなどだらだらと自分がHELP ME!を分析してみました。またどこかでやってみたいな。理論云々を書いてみましたが、体験してみるとあなた自身が感じる印象はきっと違うものになるでしょう。やってみたい方はお気軽にkompiro_at_gmail.comまでご連絡ください。

最後になりましたが、DevLOVEでHELP MEをやる機会を与えてくれた、id:papanda0806さん、あなたのおかげでこのワークは誕生しました。また、セッションのお手伝いをしてくれたリーダーのid:ymkz303さん。前もってお話しておいたらもっとよかったかもですね。id:ebackyさん、当日はebackyさんにも参加してほしかった。twitterでの発言のまとめエントリを作成してくれたid:wayaguchiさん、本当にみなさんありがとうございました。